2002年08月05日

宮崎S旅館2

風呂から上がった後、食事をした。
大広間という名の、10畳ほどの部屋に通された。
汚いテ-ブルの上に、刺身を中心とした料理が用意されていた。
しかし照明の加減か、色が今ひとつさえず、新鮮味に欠けた。
中でもメインのかつおのたたきは、実際の色も悪く最低だった。

ところで、この部屋には大きな蚊がいて、色の悪い照明器具に集まっていた。
通常の倍の大きさがある。
ぼくが、ちょうどかつおを食べようとした時だった。
蚊取り線香をつけているものだから、その蚊がかつおの上に落ちてきたのだ。
運転で疲れ、風呂に騙され、古びた刺身を食べさせられ、挙句の果てに蚊による被害である。
いよいよぼくも切れそうになった。

その後部屋に戻り、友人と「この旅館、最悪やのう」などとこぼしていると、水の流れるような音が、廊下のほうから聞こえてきた。
「何だろう」と思い調べてみると、トイレから聞こえてくるのがわかった。
この旅館は2階建てで、ぼくたちは2階部屋に泊まっていた。
その2階の廊下の角にトイレがあった。
昔ながらのポットントイレで、タンクは1階にある。
そのため便をすると、便は一階まで落ちていく。
お尻を離れてからタンクに到達するまでに、ちょっとした時間差があった。
それはそれで面白かったのだが、こういうトイレは臭いが外に漏れるので困る。
廊下に出ただけでもその臭いがしていた。

さて、その音だが、結局トイレから発しているのはわかったのだが、原因はわからなかった。
トイレを覗いても、水が出ている様子でもない。
もしぼくに疲れと怒りがなかったら、これを怪奇現象として捉えていただろうが、その時は「ホント、つまらん旅館やのう」で終わらせた。

翌朝早々、ぼくたちはこの旅館を出た。
前日来た道を戻って行った。
昼ごろ宮崎市内に出たのだが、どうも心残りがある。
それは、ろくな風呂に入れなかったということだ。
そこにいたメンバーもみな同じ気持ちだった。
「それでは」ということで、帰りは高速を通らず、10号線を北上し、延岡から高千穂を通って、熊本の黒川温泉に行くことにした。
もちろん家に帰り着いたのは、夜中だった。

今その旅行の写真を見ながら書いている。
その中に一枚だけ、実に味わいのある写真がある。
それはS旅館に着く直前に偶然撮ったものだ。
都井岬は、野生の馬がいることで有名である。
そこの道路は車よりも馬が優先で、ぼくたちも何度か足止めを食らった。
停車している時のこと。
そこから100メートルほど離れた位置に、馬の群れがいた。
その時ぼくに、ある種の勘が働いた。
カメラを持っている人に、「あの辺を撮ってみて」と言った。
そして何枚かその人が撮っていると、ぼくの期待した場面が訪れた。
ある牡馬が雌馬にちょっかいをかけだした。
その度に後ろ足で蹴上げられた。
しかし、牡馬は諦めなかった。
何度か試みた後で、ようやくその「画」を作り上げた。
「撮れ!」
一瞬だった。
実に野性的である。
posted by 新谷勝老 at 11:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 旅行記 | 編集
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック


Copyright(C) 2000-2022 しろげクラブ. All rights reserved.