先日取引先の人が来て、愚痴をこぼしていた。
その人は30代なのだが、突然「20代の人と、どうも話が合わなくて。やっぱり年ですかねえ」などというので、ぼくは「別に若い人に迎合せんでもいいやん。逆に自分の世代をしっかり自慢したらいい」と言った。
でも彼はしっくりしない顔をしていた。
いったい何を基準に生きているんだろうか?
何か20代に合わせなくてはならない理由があるのだろうか?
合わなかったら合わないでいいじゃないか。
ぼくなら絶対に自分から合わせるようなことはしない。
逆にそいつらがこちらに合わせるようにするだろう。
ぼくは若い人に何の引け目も感じてないし、別に気に入られようとも思っていない。
無視されても、「こちらが興味がないのだから、あちらも興味を示さないんだろう」くらいにしか思うわない。
相手にいくら実力や才能があろうとも、こちらには一日の長があるのだ。
それだけ「生きる」という悩みを経験しているのだ。
ぼくは何のとりえもない男だが、その自信だけはある!
「あんたもしかして、カラオケに行ったら、最近の歌ばかり歌うんやないんやろうねぇ?」と聞くと、意外だという顔をして「はい、ほとんど最近の歌を歌いますけど・・・」と言った。
「何で、自分たちの世代の歌を聞かせてやらんとね」と言うと、「いや、みんな知らないだろうから。場が白けると思って・・・」と答える。
『かー、こいつはあほか!』
ぼくは最近の歌を単に知らないというのもあるが、知っていても気に入らない歌なら絶対に歌うことはない。
だいたい今の歌は、ぼくたちの世代の歌があったからこそ生まれたものである。
今の歌の原点を聞かせて、何で白けることがあるだろう?
若い人は、みんなが同じ歌ばかり歌うから、逆に白けるのではないのだろうか?
ちゃんと自分たちが一番輝いていた時代の歌を聞かせてやれよぉ。
若い奴も、きっとそれを望んでいるんだろうから。
しばらくの会話のあと、彼は帰って行った。
結局彼はいつまでも“若い人コンプレックス”から抜け出せないだろう。
後姿に、何も誇るものがないように見えた。
2001年09月07日
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