2022年08月08日

遅刻の思い出

 高校三年の頃、バスが故障して動かなくなったことがある。学校間近の路上でのことだ。もし故障してなかったら間に合っていたと思うが、その時そのバスのせいで遅刻してしまった。

 いつも遅刻していたぼくは、いつものように担任から職員室に呼ばれ、いつもと同じお小言をいただく。
「おまえはどうして遅刻したんか?」
 いつもは言い訳はしなかったが、さすがにその時ばかりは言い訳をした。
「バスが故障しました」
「何バレるような嘘を言っとるんか」
「本当です」
「バスが故障するわけないやろうが」

 バスは遅延証明が出なかったので、それを証明するものがない。頑固一徹な先生だったから、そのことで言い争いなんかすると、かなり時間がかかってしまう。そこで、もう何も言うまいと思った。

 するとその時だった。そのバスに乗っていた下級生が、同じく職員室でそのことを言っていたのだ。下級生の担任は物わかりよく、
「そうか、バスが故障したんか。それならしかたないなあ。はい、わかりました」と言っていた。えらい違いである。

 その先生がぼくの担任に向かって、
「先生、バスの故障は本当らしいですよ」と言ってくれた。
 これで言い訳が通った、と思っていたら甘かった。
「故障するバスに乗った、おまえが悪い」、である。
 結局バスの故障は認められず、ぼくは遅刻扱いになってしまったのだった。さすがに、この時は悔しかった。
posted by 新谷勝老 at 06:35 | 思い出 | 編集


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