2022年06月21日

寝言

 休日になるといつも眠気が襲ってくる。何をやっていても、ついつい居眠りしてしまうんだ。きっと休みで気が張ってないから、どうしてもそうなってしまうのだろう。

 いや、待てよ、それはちょっと違うかもしれない。なぜなら気が張っているはずの仕事中でも、眠気はしょっちゅう襲ってくる。ということは、気が張っていてもいなくても、いつも眠たいということだ。もしかしたら人間というものは、本来眠たい動物なのかもしれないな。

 若い頃、何かの本で読んだのだが、元々人類の祖先は本能に逆らわず、眠って何ぼの生活スタイルで健康的な人生を全うしていた。ところがある時期から、起きてて何ぼの生活スタイルに変化し、それこそが進化と考え、自由に眠ることを拒むようになったのだという。

 つまり人類は、文明が発展するにつれて本能を悪と捉えるようになり、不健康な人生を強いるようになった、というわけだ。実に嘆かわしい。
 ま、そんなことはどうでもいいんだけど、今とても眠たい。
posted by 新谷勝老 at 18:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | 編集

ゲーコ

 ぼくの家のそばに、そこそこ幅のある川が流れている。今でこそ魚が跳びはね、それを鷺がジッと狙っているような、自然を象徴する川になっているが、かつては魚も住まないような、それはそれは汚い川だった。

 ま、そのことはさておいて―。
 二十年ほど前まで、その川に沿ってもうひとつ、狭い川が流れていた。汚い川に輪をかけたようなドブ川で、何とも形容しづらい臭いを放ち、黒いヘドロの上に奇妙な色の液体が泡立ちながら浮かんでいた。それを初めて見た時、ぼくは吐き気を催したほどで、さすが死の海と呼ばれていた洞海湾に注ぐ川だ、と思ったものだ。

 ところが海と違ってその川は死んではいなかった。実はそこにはちゃんと生物が生息していたのだ。その生物は夏になると一斉に「ゲーコ、ゲーコ」と鳴き出した。
 そう、カエルである。生息する場所が場所だけに、案外奇形種だったかもしれない。だけど場所が場所だけに、そこでカエルを捕るような子供もいない。だからそれはわからない。

 さて、そういうゲーコの声にかき消されてはいたものの、ショッカン(ウシガエル)の牛の鳴くような低い声もそこにはあった。
 ぼくが中学生の頃だった。近所のおっさんが、床屋のばあさんに、
「この間、ショッカン捕まえてきて食べたんやけど、焼き鳥みたいな味がしてうまかったばい」
 と言っているのを聞いた。
 どこで捕まえたとは言ってなかったが、ぼくの脳裏にあのどぶ川の何とも形容しづらい臭いと、奇妙な色の液体が瞬時に浮かんだ。そしてゲーコと吐き気を催したのだった。
posted by 新谷勝老 at 06:46 | 日記 | 編集


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