2022年06月20日

火薬の臭い

 夕方になると、どこからともなく火薬の臭いがしてくる。実際のところ何の臭いかわからないが、昔遊んだ2B弾だとか、ロケット花火の臭いによく似ている。
 とはいえこの辺に花火を作る工場はないし、炭鉱がない今は火薬を扱うような現場もない。
 そういえば近くに弾薬庫のようなものがあったらしいのだが、それも何十年も前の話だという。
 とにかく、最近は火薬のことを聞いたことはない。

 ということでそれは火薬の臭いではなく、火薬の臭いに似た何かということになるのだろうが、いったい何の臭いだろう。
 火薬という危険物よりも、正体不明の臭いのほうが、却って気味悪く、怖いです。
posted by 新谷勝老 at 18:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | 編集

梅雨怪談

 この時期に幽霊が出てきた。頬にホクロの二つ並んだ、青黒い顔の女幽霊で、彼女がトイレとか部屋の中とかを、浮かぬ顔して往き来している。

 そこでぼくは除霊しようと思い、伝家の宝刀である般若心経を唱えた。ところが、肉体のぼくは寝ているので、口が機能しないのか、はっきりとした言葉になって出てこない。
「マーカハンニャーハーラー」が
「ファーファーファーファー」となってしまう。
 それが実にもどかしく、つい意地になって何度も何度もやってみる。しかし相変わらず言葉にならず、女幽霊はいつまで経っても消えようとしない。

 幽霊の横には嫁さんがいるのだが、きっと彼女には見えてないのだろう、『何やってんだ?』みたいな顔をして、ジーッとこちらを見ている。その時だった。

 誰かがぼくの後ろから肩をポンポンと叩くのだ。
『誰だろう』と思い振り向くと、
『エッ!?』、何とそこには幽霊の横にいるはずの嫁さんがいるではないか。『何でここに・・』
 幽霊のいる場所に目を戻すと、誰もいない。
「変な夢でも見たの?うなされてたよ」と嫁さんが言う。何が何だかわからない。

 それまでのことはすべて夢だったということがわかるまでに、ぼくの中で5分くらい(実際は1秒くらいか?)かかったのだった。
 しかし何だったのだろう、あの女幽霊は。
 もしかしたら、夜中に公園で騒いでいる子どもたちの母親・・・。
posted by 新谷勝老 at 07:00 | 日記 | 編集


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