2022年06月15日

十番目の夏

一番目の夏が来て人は、
来年からネクタイをしなければならないというルールを作った。
二番目の夏が来て人は、
ネクタイをすることになった。
三番目の夏が来て人は、
ネクタイをすると体感温度が上がることがわかった。
四番目の夏が来て人は、
体感温度と地球温暖化の因果関係がわかった。
五番目の夏が来て人は、
「もうネクタイをやめよう」と言いだした。
六番目の夏が来て人は、
ネクタイを外そうとしたが出来なかった。
七番目の夏が来て人は、
なぜネクタイが外せないのかを考えた。
八番目の夏が来て人は、
ネクタイを外すためのルールがないからだとわかった。
九番目の夏が来て人は、
来年から夏はネクタイを外してもよいというルールを作った。
十番目の夏が来て人は、
ようやくネクタイを外すことができた。
posted by 新谷勝老 at 19:33 | 日記 | 編集

印象

 たとえば深夜、街が寝静まっている時に一匹の猫の子が鳴いたとしましょう。これが妙に心に響くのです。昼間、喧噪の中で重大な事件があったとしても、人にはその声の方が一日の印象として残るものなのです。

 仕事でも同じことでしてね、会議が行き詰まって誰も発言が出なくなった時に、意見を吐く人がいたとしましょう。そういう意見は大体が下らん意見だったり、誰かの意見の受け売りだったりするわけですが、人々の印象にはその人の意見が残るのです。いや、その人が残るのです。結局そういう人が勝ち組なっていくんですね。

 組織は目立って何ぼのもんだから、例えその人が馬鹿であっても、印象に残ったその人は、いい方向に向かっていくものなのです。
 同じく目立って何ぼでやってきた上司から、
「おっ、おれの若い頃に似ている」と思ってかわいがられる。
 そしてその上司が、例の印象術を利用して、
「あいつが適任です」と、その人を引き上げるのです。

 そうやって出世した要領のいい人が、何人かいました。そうやって出世したものだから、あまりいい印象は残ってないんですけどね。
posted by 新谷勝老 at 06:00 | 日記 | 編集


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