2022年06月04日

河童

 前の会社にいた頃、昼食後いつもぼくは自分の車の中で寝ていたのだが、そこで時々不思議なことが起きていた。何者かが車内で横になっているぼくのお腹の上に乗り、ドンドン飛び跳ねるのだ。
『誰だ!?』と目を開けても誰もいない。おかしいなと思いながら目をつぶると、しばらくしてからまた飛び跳ねる。おかげでゆっくり昼寝が出来なかった。

 ところで、その会社はいつも水に祟られていた。プロの水道屋さんが水道管を破ってしまって、社内の床が水浸しになったとか、専門業者が来て消火栓を点検していると、なぜかホースが外れて天井から水が降ってきたとか、とにかく普通では考えられない水の事故がしょっ中起きていたのだ。

 昔からその地に住んでいる人に聞いてみると、そこは元々池があって、その会社が建つ時にすべて埋めてしまったということだ。池にしろ川にしろ、元々水場だった場所は、不思議と水を呼ぶものなのだ。それはそこに棲みついている『何者か』が、奪われた水を呼び寄せているからだ。

 さて、ぼくの腹の上で暴れる『何者か』だが、実はその水を呼び寄せている『何者か』と同一のものではないのだろうか。同じ場所に『何者か』が二ついるとは、どうも考えにくいのだ。
 では、その『何者か』とは何者なのか?ぼくはそれを『河童』だ思っている。もともと河童伝説のある地域だし、あながち外れではないのではないか。
posted by 新谷勝老 at 06:22 | 日記 | 編集


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