吹く風ねっと

一生は未来の記憶を散りばめた一本の道。人生は未来の記憶をひろいながら歩く旅。

2013年01月

私の才能は群を抜いていて
誰よりも誰よりも多くの
男を手玉に取ることが出来る、と
遊び好きなA子は思っている。

私の才能は群を抜いていて
誰よりも誰よりも多くの
女に愛されている、と
女たらしのB男は思っている。

私の才能は群を抜いていて
誰よりも誰よりも莫大な
資産家になることが出来る、と
吝嗇家のC美は思っている。

私の才能は群を抜いていて
誰よりも誰よりも長く
寝ることが出来る、と
怠け者のD郎は思っている。

私の才能は群を抜いていて
誰よりも誰よりも完璧に
患者を治すことが出来る、と
女医のE香は思っている。

私の才能は群を抜いていて
誰よりも誰よりも上司の
信頼を得ることが出来る、と
ゴマスリのF太は思っている。

私の才能は群を抜いていて
誰よりも誰よりも輝いて
目立つことが出来る、と
女優のG代は思っている。

彼らの勘違いは群を抜いていて
自分というものが
まったくわかっていないやん、と
意地の悪い私は思っている。

「死んだらどうなるのか?」
という質問をよく受ける。
こういう場所にそういうことを
何度か書いているので、どうも
そういうことに詳しい人だと
思われているようだ。だけど
ぼくはどちらかというと正直者なので
自分で体験してないことを答えるほどの
図々しさは持ち合わせてはいない。
だからそういう質問を受けた時には
柔道で仮死状態に陥った時の話をして
「死んだ時もこれと同じような
状態になるのではないだろうか」
と曖昧に答えている。

しかしこの問題は、昔から
ぼくの中で大きな比重を占めていて
実は常々考えていることなのだ。
もしかしたら天国に昇るのかもしれないし
もしかしたら地獄に落ちるのかもしれないし
もしかしらた輪廻転生するのかもしれないし
もしかしたら無に帰すのかもしれないが
どれも体験したことがないものだから
どちらかというと正直者のぼくには
そういうことを答には出来ない。

一つだけ言えることがある。
それはどこに行くにせよ、どうなるにせよ
死んだら次の現実が待っているということだ。
天国に昇ったって、地獄に落ちたって、
輪廻転生したって、無に帰したって、
それが次の現実になるわけだから
その答は間違ってはいない。
どちらかというと正直者のぼくが
図々しくなく答えられる唯一の
死後の世界だ。

1、
ぼくの小学校の同級生に
『はら』という姓の女子が二人いた。
一人が『はらひろこ』で
もう一人が『はらかよこ』だった。
出席簿に『ひろこ』は『はらひ』と書かれ
同じく『かよこ』は『はらか』と書かれていた。
出席簿の表記の仕方がぼくの興味を引いた。
さっそくぼくは彼女たちを
『はらひー』『はらかー』と呼び始めた。
彼女たちは嫌がっていたが
そのあだ名で小中高と呼び続け
それはいまだに続いていて
相変わらず『ひろこ』は『はらひー』であり
相変わらず『かよこ』は『はらかー』だ。
おそらくこの先もそう呼ぶことだろう。

2、
もし『皆岡』という姓の人が
ぼく以外にもう一人いて
その名前が『まさし』だったら
その人の名前の表記は
『皆岡ま』となるわけだ。
これは悲惨である。
確実にそれがあだ名となり
おそらくその人は同級生から死ぬまで
『みなおかま』と呼ばれるだろう。

早く寝よう。もう少し早く寝よう。
早く寝よう。それが一分であっても。
寝不足のままで仕事をすると
ちょっとずつ日常がずれていくんだ。
ちょっとずつがたまりにたまって
いい方向に日常が進まなくなってしまう。
こうなると魔法の呪文は通用しなくなり
更には般若心経や十句経の霊験もなくなる。
そうなると人生すべてに自信が持てなくなり
終いには何でおれは生きているんだという
永遠に答の出ない哲学地獄に落ちてしまう。
だから日常をずらさないためにも
魔法の呪文を通用させるためにも
般若心経や十句経の霊験を得るためにも
早く寝るんだ。もう少し早く寝るんだ。
早く寝るんだ。たかが一分であっても。

真夜中に戦闘機が飛んでいる。
真夜中に戦闘機が飛んでいる。
もしや有事なんだろうか
それとも訓練なんだろうか
それが有事というのなら徹底的に
やってもらわないと困るのだが、
それが訓練というのなら住民が
寝ている時間帯はやめてほしい。
お国も大変なんだろうけど
こちらも明日が仕事で大変だ。
お願いしますよ。

前の車がぬるりぬるり
ぬるりぬるりと走っているので
ぼくたち後ろの車は迷惑している。
ぬるりだけならまだいいけれど
何度も何度もブレーキを踏むので
なかなかペースがつかめない。
いったいどうしたいのだろうか。
停まりたいのか、曲がりたいのか
それともここから飛び出したいのか。
とにかくこんなに交通量の多い国道で
そんな運転は迷惑だ。迷惑だ。迷惑だ。
ぬるりぬるり、ぬるりぬるり。

何を悔いているのかというと
昨日の昼食で焼きめしを
食べ損なったことだ。

前の日は飲み会で、久しぶりに
酒を目一杯飲んでいた。
おかげで朝から二日酔いで
朝食を抜いていたのだが
昼になって気分がよくなって
空腹がピークに達していた頃だった。
買い物先のショッピングセンターの
食堂街からいいにおいがしてきたのだ。
そのいいにおいの元が焼きめしだった。

「その焼きめしを食べるんだ」
その時、直感がぼくにそう命じた。
そこでそれを注文しようとしたのだが、
何と二日酔いが醒めてなかった
理性の奴がしゃしゃり出てきて
「ここは胃に負担のかからない
ハンバーガーの方がいいんじゃないか」
と直感の命令を無視して、勝手に
野菜たっぷりのハンバーガーを
注文したのだった。それから
ぼくの腹は空きっぱなしになっている。

何を悔いているのかというと
昨日の昼食で焼きめしを
食べ損なったことだ。

猫がフギャフギャ怒っている。
となりの庭で怒っている。
尾っぽを立てて怒っている。
のどを涸らして怒っている。

いったい誰に怒っているのか。
いったい何を怒っているのか。
女のことを怒っているのか。
飯のことを怒っているのか。

ぼくにはどうにもわからない。
言葉が違うのでわからない。
表現が違うのでわからない。
心が読めないのでわからない。

猫がフギャフギャ怒っている。
となりの庭で怒っている。
途切れ途切れに怒っている。
休憩しながら怒っている。

これは駄目だと言うのなら
もっと自分を鍛えましょう。
鍛えてもう一度やりましょう。
誰が悪いわけではない。
自分が悪いわけでもない。
きっと何かが足りなくて
それに気づけと言うのでしょう。

別に焦った人生でもなし
もっと自分を鍛えましょう。
じっくり自分を鍛えましょう。
いい感性を磨きましょう。
そして光を放ちましょう。
いつかはそこに着きますから。
いやでもそこに着きますから。

顔を洗ったあと
タオルで顔を拭いたら
何かが唇に付着した。
何だろうと手にとってみると
それはちぢれ毛だった。

シャツのボタンの位置が
昨日までとは違うではないか。
「えっ?」と動作が止まり
一、二分後、ようやく
裏返しだということに気づく。

六階の家からエレベーターで
一階の駐車場まで行く。そこに
着いてから初めて車のキーを
忘れていたことに気づく。すでに
エレベーターは八階まで昇っていた。

暖機運転をしていたことを忘れ
エンジンをかけると
シャカシャカという異音がする。
故障じゃないかと思い外に出てから
暖機運転していたことを思い出す。

車を運転している時
大きな真っ黒いカラスが
突然前方を横切って行った。
さらに他のカラスが
「カア」と四度鳴いた。

仕事中にとある出版社から
本を出しませんかという電話がかかる。
いい気になって話を聞いていると
多額の費用がかかるとのこと。
世の中甘くないと知らされる。

力道山が編み出し、G馬場が継いだ
伝家の宝刀『空手チョップ』は
どんな名選手のどんな必殺技よりも
強かった。あれさえマスターしたら
どんな格闘技でも勝てるはずなのに
なぜか今は誰も手を出さない。
ああ、もったいない。もったいない。

鉄腕アトムが生まれ、鉄人28号が生まれ
さらにウルトラマンまでやって来た
当時の日本は、軍事大国と言われていた
アメリカ合衆国よりもソビエト連邦よりも
確実に強かったはずだ。強かったはずだ。
二、三十年ほど開戦を遅らせていたら・・
ああ、もったいない。もったいない。

目に見えないほど速く走る忍者がいた。
弾よりも速く走るエイトマンがいた。
009には加速スイッチがついていた。
そういう逸材がいたにもかかわらず
この国の短距離走は弱かった。弱かった。
陸連はもっとテレビを見るべきだったんだ。
ああ、もったいない。もったいない。

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