吹く風ねっと

一生は未来の記憶を散りばめた一本の道。人生は未来の記憶をひろいながら歩く旅。

2011年05月

ぼくの心の中にある自分の姿は
若い頃に刻んだ若い姿のままであって
その姿を変えたことは一度もない。
もちろん年をとるたびに
「その姿でいいのか?」
と問いかけることはあった。
だけどすかさず本来の自分が
「それでいいのだ」
と突き返してきた。
だから若い頃に刻んだ自分の姿を
ここまで歪めずに持って来られたのだ。
年よりも若く見られるのは
きっとそのおかげに違いない。

それはそれでいいのだが
その弊害もあるわけで
何か行動を起こす時
その姿で行動する自分を
心の中に描くため
ついつい無理をしてしまうのだ。
いつも体を痛めるのは
きっとそのせいに違いない。

この間会社の研修があり
二日間ではあるが
朝早い出勤を強いられた。
それが原因だったのか
以来ぼくは体調を崩していた。
腰が痛く、背中が張り
大小便の出が悪く・・・・
その時期たまたま
テレビで見たのが
大腸癌とか前立腺癌の話で
それがぼくの左脳に深く
突き刺さったのだった。
気になり出すと人間というのは
まったくダメになるようで
いちいち癌に絡ませて
物事を考えるようになった。

どうにかしなければと取った策が
なぜか早寝早起きだったり
野菜ジュースを飲むことだったのだが
そんな健康習慣的なことでは
その手のノイローゼから
脱出出来るものではない。
そこでまた試行錯誤が始まった。

いろいろな本を読みあさり
最終的に行き着いた先が
「わたしは健康である」と
脳に思い込ませることだった。
最初はそんな簡単なことで
どうにもなるものではない
と思いながらやっていたのだが
「自分で病気だと思わなければ
誰が何と言おうと病気ではない」
という気持ちになっていき
癌なんて考えるもの馬鹿らしくなった。
そのうち腰や背中は元に戻り
大小便の出も良くなった。
脳に思い込ませるという簡単なことが
いい結果に繋がったわけだが、この方法
いろいろなことに応用が出来そうだ。

頭の中にこびりついている由無し事を
紙くずのようにグチャグチャにして
つじつま合わせの外面野郎たちに
ドカンと叩きつけたい気分にあります。
そうすれば頭の中はすっきりして
日々の生活はくっきりして
曇った世間ははっきりすることでしょう

もし奴らに出会ったら
あわてず、さわがず
ゆっくり、じっくり
奴らの命を狙いましょう。
じっと息を殺して
何があっても物音を
立ててはなりません。
奴らは音に敏感ですから。
そこでちょっとした
倫理や宗教心を持ち出して
躊躇してもいけません。
やる手に力が入りませんから。
やる時は一気に叩きましょう。
もしそこで奴らを逃がしたら
今度はこちらがしつこく
攻められるのですから。

二つ目の角を曲がると急な坂がある。
確かにそれは近道なのだ。だから
皆そこで曲がって一気にその坂を
駆け登りたがるのだ。だけど
おまえはそこで曲がってはならない。
まっすぐ続いているこの道を
ゆっくり歩いて行くのだ。
二つ目の角を曲がると
おまえのことだからきっと無理をして
疲れと悔いを残してしまうことだろう。
おまえのその性急な性格には一気ではなく
まっすぐゆっくりが一番合っているのだ。
そこが正解なのだ。遠回りなようだが
おまえにとってはそれが一番の近道なのだ。
というわけで
ぼくは今ここにいる。

十数年ほど前に
鳩と格闘したことがある。
実家のベランダに置いてあった
ミカン箱の中に、彼らは断りもなく
巣を作って生活していたのだ。
朝になるとせわしいし、糞害もあるし
動物愛護のためにも野生の動物を
人間に懐かせてはならぬと判断し
巣を作っていたミカン箱を取っ払い
鳩を見かけたら棒を振って追い回した。
それでも鳩は
こちらの隙を見つけてはやってくる。
そこで取った手段がいらなくなった
レーザーディスクだった。
ベランダにぶら下げておくと
鳩が警戒して近寄らないのだ。
それが功を奏してか
以来鳩は来なくなった。

何でそういう話をするのかというと
今また鳩が来るようになったのだ。
今回は実家ではなく自宅の方で
何もない殺風景なベランダなのだが
居心地が良いのか、朝になるとやって来る。
ということで
再び鳩との格闘が始まったわけだが、
今回は頼みのレーザーディスクがない。
CDじゃ小さすぎるし
何か良い方法はないものか
と、日々頭を悩ましている。

朝からサザエさんだなんて
だってあれは日曜の夕方でしょ?
今はそうかも知れないけど
昔は朝見るものだったんだ。
ま、それは新聞でのことだけど
朝アニメを見たっていいじゃないか。
ビデオだっていいじゃないか。
とにかく朝は笑わないとね。
さあ、一日が始まる。

疲れが溜まっているんだろうな。
レコーダーに録りだめしていた
およそ一時間のドラマを
最後まで見ることが出来ないで
切りの悪い所で眠ってしまうんだ。

翌日は前日のドラマを
どこまで見たかという記憶を
追っかけながら早送りしたり
巻き戻したりしている。おかげで
今週のマルモは二度見たんだな。

それで一件落着かというと
そうではなくて、
その日のドラマも見るから
またしても切りの悪い場所で
眠ってしまうことになる。

それなら前日の分を見ずに
その日の分だけ見れば最後まで
行き着くはずだとやってみた。
だけどやはり切りの悪い場所で
ぼくは眠ってしまうんだ。

夕方のATMに集まる人たちを
少し熱めの初夏の西日が温めては
夕方のにおいを作り出している。
香水、体臭、生活臭・・・
いつ行ってもいい臭いはしない。
時にはあまりの臭さに
吐き気を催すこともある。
とにかくこんなところに
長居なんて出来るものではない。
そこにいる人たちは
お金を下ろすと、そそくさと
そこから逃げ出していく。
初夏の西日は逃げ出す人の
影の臭いをも温めている。

何かが走っているんです。
ぼくの車の前を。
最初はネコかと思ったんですけど。
ネコのようなササとした
軽い走り方じゃなくて。
何かドテドテとした
重い走り方なんです。
体もネコより大きいんです。
かといってそのへんの
野良犬ほど大きくはない。
何だろうとライトを照らすと
そいつはタヌキなんです。
人里離れた山の中
というのならともかく。
そこは繁華街すぐそばの
人の多く住む住宅街なんですよ。
やはりいるんですね、
タヌキはどこにでも。
そこらここらで
しっかりと生活している。
しかし昨夜は時折雨が降る曇り空で。
月は出てなかったんだけどな。

二十代中頃のことだった。
高校時代の同級生女子を
街で見かけたことがある。
ずいぶん久しぶりだったので
声をかけようかと思ったのだが
その時見知らぬ男がツカツカと
彼女に近寄っていくのが見えた。
二人は笑顔で言葉を交わしたあと
すぐさまべったりとくっついて
腕を組んで歩き出した。

彼女の顔を見ると、ぼくの歌を
聞いた時にも見せたことのないような
それはそれは幸せそうな笑顔だった。
それを見て、ぼくは一気に
声をかける気が失せてしまった。
彼女の結婚を聞いたのは
それからしばらくしてからだった。

ぼくが高校生の頃、女子の持つ夢は
結婚というのが圧倒的に多かった。
ということで、その女子も
圧倒的に多かった夢を実現したのだ。

さて、夢は叶うまでが楽しいと聞いているし
いったん叶ってしまうと目標を失ってしまい
虚脱状態に陥ることが多いと聞いているが
彼女の場合、そのへんはどうだったのだろう。
ぼくが目にしたとおりで、
結婚までは実に楽しかったに違いない。
さて結婚という夢が叶った。
それからの膨大な時間を、果たして
彼女は虚脱状態で生きたのだろうか。

ま、結婚したての頃は恋愛の延長で
彼に溺れていただろうし、その後は
例えば子育てや夫の転勤といった
現実的な問題を抱えてしまうから
なかなか虚脱状態には陥る暇もなかっただろう。
もし陥るとしたら、子供が独立し、
夫の問題が一段落した後だ。
ということは、ちょうど今になる。

もしあなたがそういう状況にあるのなら
ぼくはまだ同じ場所に住んでいるので
連絡して下さいな。
時間を取って、作りたての歌を
じっくりと聞かせてあげますから。

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