吹く風ねっと

一生は未来の記憶を散りばめた一本の道。人生は未来の記憶をひろいながら歩く旅。

2010年10月

チャイムが鳴る。
少し年配の痩せぎすな
英語教師が入ってくる。
ざわめいた教室が
瞬時に静かになる
「あー、どっから?」
教室に彼のせっかちで
野太い声が響き渡る。
「えっ、どっからだ?」
その日の授業の箇所を
彼は生徒に尋ねているのだ。
教室に薄い笑いが漏れる。
その笑いを気にもせず彼は
せっかちな授業を始める。
生徒に一つの質問もせず、かつ
生徒からの質問も受け付けず
彼は一方的に喋りまくった末に
せっかちな授業を終える。
『起立、礼、着席』
休憩時間、決まって誰かが
英語教師のせっかちで
野太い声を真似ている。
「あー、どっから?」
「えっ、どっからだ?」
教室に薄い笑いが漏れている。

長年作詞や作曲といった
歌作りをやってきたからなのか
ここに投稿しているような
一種創作的な文章を書く時には
考えることをしないことが多い。
考えることをしないで、ただただ
文章が落ちてくるのを長い時間
待っているだけなのだ。
実は寝不足の原因もそこにある。

歌作りをしていた頃の話だが
頭を使って創作した歌は
ロクでもないものが多かった。
ところが時折スルッと歌が
頭の中に落ちてくることがあった。
そういう歌は実にいい出来になった。
過去何度かそういう経験をしてきている。
それゆえにスルッと頭の中に落ちてくる
真空の感度を大切にしているわけだ。

散文のエッセイを書いていた頃には
落ちてくることはほとんどなかった。
ところがこういう形態の文章にしてからは
落ちてくる回数が徐々に多くなり、今では
それがないと書けない状態にまでなっている。
そういうわけなので、明日以降は
ぼくの寝不足を解消させるためにも
もっと早めにスルッと来て下さいませ。
おんあろりきやそわか

1,文明
「どこ」という「ここ」ではなく
「いつ」という「今」ではない。
ただ生活していく上で都合がよい
という、場当たり的な理由から
「ここ」を地名でくくったり
「今」に時間を埋めたりして
この世を面倒くさくしていった。
そこから「文明」などと呼ばれる
やたらと神経をすり減らすだけの
人類の歴史なるものが始まった。


2,街おこし
旧繁華街で街おこしをやっている。
何を今さら言っているのだろう。
この街がダメになったのは
有料駐車場のせいだということを
この地域に住む人なら誰でも知っている。
その有料駐車場を、儲かるからと言って
代々続いた店をつぶして作ったのは
あんたたちじゃないか。
あげくの果てが有料駐車場だらけの街だ。
そういう街のどこに魅力があるというのだ。
第一、店もない街の駐車場を
誰が利用するというのだろう。
そういう肝心なことには目をつぶり
ありふれた地域物産展に精を出す。
これでどうやってかつての繁栄が
取り戻せるというのだろう。
昔の賑わいを取り戻したいのなら
まずは街中に巣くっている
有料駐車場の駆除から始めることだ。

今日は行く場所行く場所で
ビートルズのHELPを聴いた。
学生の頃から何度も、
何度も、何度も、何度も、
何度も、聴いた曲なので
ついつい口ずさんでしまう。

ところでビートルズの歌詞のことだが
ぼくは訳を読んだことはあるものの
学校英語が苦手だったせいもあって
原文を読んだことがほとんどない。
だから、ぼくが歌えるビートルズは
聞こえるままに覚えたと言っていい。
つまりぼくのビートルズは
門前の小僧のお経と同じなのだ。

それゆえに発音はかなり近いと思うが
しょせん聞きかじりに過ぎないから
細かい舌の動きはおそらく完全ではない。
そのため英語圏の人が聞いたら
何と言っているのかわからないだろう。
もしぼくが口ずさんでいるHELPを
英語圏の人が聴いていたとしたら
「なるほど、HELPを日本語で歌うと
こうなるのか」などと思ったに違いない。

仕事のある日はものすごく眠たいのに
休みの日はなかなか寝ようとしない。
今日などは寒かったし
特にすることもなかったので
大人しく寝ていればよさそうなものだが
ぼくの中の人がそれをさせようとしない。
きっと休みという時間が
もったいなく感じているんだろうな。
今日は用もないのに銀行に行って
プラスな気持ちになれない残高を見て・・・
何やっているんだろう、だいたいそんなこと
わざわざ銀行に出向かなくても
パソコンで出来ることじゃないか。
洋服に着替える時間と、車で移動する時間と
ATMを操作する時間とを睡眠に当てたら
おそらくは仕事の効率もドンドン上がり
休みじゃない日の早寝だって可能なはずだ。
結局ぼくは、何十年経っても変わらずに
寝不足の循環を繰り返しているわけですよ。

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とりとめのない音楽を切り抜き
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情けない現代を切り抜き
とりあえず将来を切り抜き

―貼り付けております

初めて社会に出た日のことだった。
先輩社員が取引先に電話をかけていた。
ところが、取引先が出なかったらしく
受話器を置いた。と同時に彼は大きな声で
「電話に出んわ」と言った。
すると周囲は堰を切ったように
笑い出した。
『えっ、何でみんな笑うんだ?
いったいどこがおかしいんだ?』
学生の頃、クラスの笑いを取るために
必死になってギャグを考え
最終的に『以心伝心ギャグ』という
一種の境地にたどり着いたぼくにとって
言い古されたダジャレに対する
みんなの笑いは不可解だった。
しかもそのくだらんダジャレを言ったのが
ぼくとさほど年が変わらない人間だったから
気が重くなった。
『これから、このレベルの中で
生活していかなければならないのか』
結局ぼくはその職場になじめなかった。

以前猫の交尾を見たことがある。
近くの本屋まで歩いている時のこと
ある民家の庭に何かを感じた。
その感じのするほうに目をやると
そこで猫がやってやられてやっていた。
最初猫は気づかなかったようで
必死にやってやられてやっていたが
こちらの気配を感じたとたん
急にやってやられてをやめた。
その時の猫の表情が忘れられない。
いかにも悔しそうな、いかにも
不愉快そうな顔をしていた。
何においても人間というのは
気持ちのいい行為をする時は
人目をはばかるものだが、猫は違う。
いつでもどこでも本能の命ずるままに
やってやられてやっている。
とはいうものの、いっちょ前に
迷惑だけは感じているようだ。
「見世物じゃないぞ、どっか行け!」
あの時、猫は目でそう言っていた。

工事中の道で初めて君を見た。
大勢の人の中で歩いていたが
やけに君だけが輝いて見えたものだ。
以来君はぼくの中でずっと輝いていて
それゆえにぼくは君に深く
恋心を抱いたのだと思う。
身近にいた頃はもちろんのこと
遠くにあっても年月を重ねても
やはり君はぼくの中で輝いていた。

今度その工事中の道を通るのは
おそらく来世になるに違いない。。
その頃には道の舗装も
少しはされていることだろう。
そしてその時その道を通る
大勢の人の中に、やはり君はいて
相変わらずぼくには
輝いて見えることだろう。
そして相も変わらずぼくは
君に恋心を抱くことになるだろう。

健康診断のアンケートに
「どこか痛い所はありますか?」
などという問があると
別段痛くはないけれど、とりあえず
『肩』や『関節』などに
丸をつけることにしている。
どこにも丸をつけなかったりすると
逆に勘ぐられるかもしれないからだ。

では、何で『肩』や『関節』に
丸をつけるのかというと
肩や関節などが痛いと書いても
外科的な部分なので
別に差し障りはないと思われるからだ。
それが証拠に、これまで
それについて尋ねてくる医師は
一人もいなかった。

とはいえ、『特になし』の回答をしたり
その項目に回答しなかったりしても
医師は勘ぐることはしないと思う。
なぜなら、問診の時
まともにアンケートを見ている医師など
一人もいないからだ。

だとすれば、いったい何のために
そういうアンケートをやるのだろう。
案外、受診者の取り越し苦労や心配性を
助長させるためにやっているのかもしれないな。
アンケートによって心配性が助長され
それが原因で血圧が高くなったり
血糖値が上がったり、尿酸値が増えたりする。
そうなれば再検査ということになるから
医師はまたしても暇つぶしが出来るし
懐も潤う。つまり霊感商法的な
おいしいビジネスということだ。

閉じたまぶたの外に光りを感じる、右側。
パソコンの音が鼻に伝わる、中央。
往き来する車の音が耳に飛び込む、左側。
首の痛みと共にある、後ろ側。
今ある現実を切り取ったら
ぼくを中心とした状況はこんな感じになる。

あと、少し寒いというのがあるな。
いったい春には何を着ていたんだろう?
と思えるくらい、なぜかこの時期に着る服がない。
クローゼットの中にダウンのジャケットがあるが
そんなのを着ると逆に暑くなるだろう。
ま、寒いよりはマシだが。

右の耳の奥の方で、重い耳鳴りがしている。
「キーン」ではなく「ウーン」と鳴るヤツだ。
寝不足の時とか、疲れている時とかに
よくこの手の耳鳴りが起きる。
決して年齢からくるものではない。
一夜漬けしたテストの朝にも鳴っていた「ウーン」。

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