この間、十数年ぶりに高校時代の憧れの人(月夜待の君)に会った。
最初は「似てるな」というだけで、「そら似だろう」感覚で見ていた程度だが、見れば見るほど彼女になってきたのだ。
そうやって観察しているぼくを彼女も気づいたらしく、彼女のほうもしきりにぼくのほうを気にしだした。
最後に彼女のほうから「しんた君?」と切り出してきたので、ようやく本物の『月夜待の君』と確認でき、再会ということに相成った。

さて、再会ということに相成ったわけだが、その中で大変辛かったことがある。
それは、容姿といい言動といい、彼女が完璧な『おばさん』になっていたということだ。
この数ヶ月、何人もの同い年の女性を見てきた。
その人たちはみな「今の50歳は若いなあ」という感想を抱かせてくれた。
つまり彼女ほど完璧に『おばさん』化している女性は、一人としていなかったわけだ。
彼女と再会するまで、彼女もそういう年の取り方をしているものとばかり思っていた。
それゆえにそのギャップは酷く、ぼくは心の中で辛い感情を覚えたのだった。

ぼくは「今を大切に生きよう」と志した昨年から、ある言葉を言ったり思ったりしないことにしている。
ところが、今回はあまりの落胆のせいで、その言葉がつい口をついて出てきてしまった。
「あーあ、昔は良かったなあ」