吹く風ねっと

一生は未来の記憶を散りばめた一本の道。人生は未来の記憶をひろいながら歩く旅。

2008年01月

一月に入ってから、毎週火曜日と水曜日に休みをとっている。
火曜日は嫁ブーも休みで、朝はゆっくり寝ることが出来る。
しかし、一日中家にいるわけではない。
買い物に行ったり、お互いの実家に行ったり、神頼みに行ったりしているのだが、それに加えて最近は温泉に行くようになった。
温泉と言っても、温泉地に行くわけではない。
家から車で5分で行ける、天然温泉に行っているのだ。
ま、スーパー温泉のようなところだが、それでも西日本新聞では県内の秘湯のひとつとして紹介されていたし、「じゃらん」にも載っている。

その温泉は、他のスーパー温泉と同じく送迎のマイクロバスを出している。
館内放送で「X時発△方面行きをご利用のお客様は…」などとやっている。
こういうのはどこでもあるのだが、その温泉の面白いところは、近くの競艇場でレースのある日にはその送迎もやっているところだ。
この間温泉に浸かっている時に、「△競艇行きご利用のお客様は…」などと言っているのを聞いて、「えっ?」と思ったものだ。
うちの近所にはもう一つスーパー温泉があったのだが、昨年潰れてしまった。
今利用している温泉が繁盛しているのは、おそらくそういう努力をしているからなのだろう。

いや、違うんだよ。
そうじゃないんだよ。
あの汽車は南に向かって行くんだよ。
決して西になんかに向かっては行かないんだよ。
あの汽車は独立の町を目指してるんだよ。
決して殺戮の町を目指したりはしないんだよ。
あの汽車は速いところが好きだから、
決して遅いところには行かないんだよ。
あの汽車は新しい時代を求めるから、
決して古い時代には行かないんだよ。

ぶらぶらぶらぶら
ぶらぶらぶらぶら
目の前を歩いていく人人人
落ち着ける場所なのに
せわしなく体を揺すって
落ち着きに来ているのに
なぜか往ったり来たりして
ぶらぶらぶらぶら
手ぶらで歩く
ぶらぶらぶらぶら
臆面もなく歩く

朝ぼくはいつものようにお茶を入れる
小鳥たちはいつものように歌をうたう
またぼくは新しい一日を迎える

けたたましく響く水蒸気の音
かき消されていた昨日までが蘇る
それがぼくの一日の始まり

一時の瞑想は外の音を静め
快い歌を部屋の中に灯すと
カーテン越しの光が朱を映し出す

朝ぼくはいつものようにお茶を入れる
すべての街に朝の歌が流れる
またぼくは新しい一日を迎える

ああ昨日より冷たい風が吹いて
今日は野宿なんぞ出来そうにない
懐かしい想い出なんて今日はとても歌えない
口はこごえて、声は凍りついた

火を起こそうと今夜はマッチも湿気て
まるで冬山のキャンプさながら
せめては風をしのごうと
大きな木陰に身を隠す

冷たい風が空を切り
寂しい夜をかもし出す
いつまで経っても終わらない
辛く悲しい放浪ブルース

電池の切れたトランジスタラジオを捨て
明日からはどうやって生きていこう
今日の命もわからないままに
かすかな夢に望みを繋いで

決して悲観しているわけではないが、
十数年ぶりに会った君は
生活臭さでもにじみ出ているのか、
年よりも老けて見えたものだ。
これはぼくの想像が君の姿を
若く見せていたせいでももあるのだが、
そこには君はこうであって欲しいという
ぼくの期待もあったのだ。
しかし何でまた運命は
ぼくの嫌いなこの季節に、
気持ちの落ち着かないこの時期に、
君の姿をぼくに見せたのだろう。
ぼくとしては君の、
そんな五十の現実を見たくなかった…。

葉っぱの上に横たわり
日々のしぐさに精を出す
時に住み家は風に揺れ
日々の行方を見失う

昼はゴロゴロ転がって
しきりに口を動かして
夜はそこから落ちないように
必死に葉っぱにしがみつく

ゴロゴロゴロゴロ転がっては
消えていく日々を眺めている
雨に濡れる日もあるけれど
それでも口を動かしている

葉っぱの上に横たわり
日々のしぐさに精を出す
時に住み家は風に揺れ
日々の行方を見失う

ここまでだよ線路の行き着いたところは
 ―今までは行ってみたかった
でも何だこのいらだたしさは
 ―もう自由を失ったように思えて
ぼくは線路を間違えていたらしい
 ―そして君も
ここには散ったばかりの桜が
 ―そして私は見せ物じゃないよって
そうだよ、ここまでだ、
ここでゲームは終わっているんだよ

めかしこんでいても誰も覗かない
 ―旅が終わった今は
君はぼくのすべてを飲み込んで
 ―満足かい?
だけどこうは思わないか
 ―いつの間にか見せ物にされていたんだって
そしてそこには何もない
 ―荒れ地のような所だってことも
そうだよ、ここまでだ、
ここでゲームは終わっているんだよ

 もう帰ろうよ、さようなら
 そうだよ、ここまでだ。
 ここでゲームは終わっているんだよ

昨日の風は今日の風
昨日を飛ばして今日を彩る
 昨日の風に酔いながらも
 今日の風に身をゆだねる

今日の風は明日の風
今日を飛ばして明日を彩る
 今日の風に身をゆだねながらも
 明日の風に心を遊ばす

明日の風は昨日の風
明日を飛ばして昨日を彩る
 明日の風に心を遊ばせながらも
 昨日の風に酔っている

17歳の頃、
ぼくの人生は全開していた。
何をやっても面白く、
悩むことでさえ楽しんでいた。
毎日毎日が嬉しいことだらけだったのだ。
ところがひょんなことから
将来を考えるようになってしまった。
そこから人生は沈黙し始めた。
とはいえ、
いつも心にあるのは全開の日々。
当然のようにぼくの人生は、
次の全開の機会を窺っていた。
あれからかなりの時間が経ってしまったが、
ようやく人生はその兆しをつかんだようだ。
そう、
だんだん毎日が楽しくなってきているのだ。
これからきっと、
何をやっても面白く、
嬉しい日々に向かっていくのだろう。
人生全開、
ぼくはこれからだ!

暗く寂しい部屋
電球(あかり)が息切れをはじめ
すすけたストーブが笑う

窓ひとつ隔てた空から
トタンのからむ音がする
「ああ いつまでも冬ですよぉ」

 ―針がいつ静止(とま)ったのかわからない

昨日からの濡れた風と
立ち止まる冴えた風が
そっと後ろ指をさす…

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