吹く風ねっと

一生は未来の記憶を散りばめた一本の道。人生は未来の記憶をひろいながら歩く旅。

2007年11月

群がる虫たち その一粒のぼく
転ばないように気をつけて いつまでも続く階段
帰らしておくれ もう帰れないことを知っているから
このへんで休もうか 先はまだ長いから

いつかここに座って ため息をついた
幾度も幾度も 過去を振り返りながら
帰らしておくれ もう帰れないことを知っているから
もう足も動かないよ 目の前も真っ暗だ

このままここに 座っていたっていいんだ
誰も止めることは出来ないし 何が変わるわけでもない
帰らしておくれ もう帰れないことを知っているから
だけどもう歩き始めた 先はまだ長いから


いつまでも続く階段

晴。もしも明日君に会えたなら
想い出をいっぱい君に語ろう
そして君が笑ってくれて、心を開いてくれたら
ぼくは熱い胸の内を君に贈ろう

夢を追いかけていた日に、いつも歌っていた
あの歌を君に聴かせてあげよう
君のために作った数々の愛の歌
それだけ歌ったら、口を開こう

 想い出がいっぱいありすぎて
 何を話していいのか
 わからなくなってしまって
 ぼくはジュースを一口

心の奥にきっと、わだかまりがあるんだな
ぼくはいくつもの恋を知って君の元に
また戻ってきた卑怯な男だから
何もかもがうまく言えずに君は白けて

 思いのままにしゃべれない
 こんなぼくだから
 失敗話や馬鹿話
 ぼくはまるでピエロさ

晴。もしも明日君に会えたなら
何を話せばいいんだろうか、ぼくにはわからない
そんなこんなで明け暮れる、ひとりぼっちの夜
明日はまた寝不足で、君に会えそうもない

あんな女に惚れなきゃ
暗い過去を持たないで
楽しい暮らしが出来たんだろうに

取り戻せない時間の
いらだちもなかっただろうに
吹き狂った風、おれの若い日に

 きっと、おまえ、今頃どこかで
 舌を出して、笑ってるんだ

あんな女にもう二度と
騙されるようなことはない
あんなにおれを苦しめたんだから

 きっと、おまえ、今頃誰かの
 心の中に、住みついて…

あんな女に惚れるな
人の心くすぐって
気がついたときには、どこにもいない


あんな女


昼間、川の近くを歩いていると、何羽かの鴨が向こう岸近くで泳いでいた。
今シーズン初めて見る鴨なので、カメラに収めておこうと携帯を取り出し、彼らに向けた。
その瞬間だった。
すべての鴨が飛び去ってしまったのだ。

ぼくから鴨までの距離は10メートルくらい。
川面と道の段差は2メールくらいあるし、さらに鴨は向こう岸を泳いでいるのだ。
そのため、10メートルでもぼくにはけっこう遠くに感じた。
だが、鴨の感覚ではそうではなかったようだ。

そういえば、前に鷺を写真に収めようとした時も、鴨と同じように逃げて行ったが、鳥というのはそこまで臆病なのだろうか。
ハトやカラスを見る限りでは、そうは思えないのだが。

またまたわけのわからぬことをと思われましょうが、
私めただ騰々と流れに任せていきたいと思っております。
それについて世間様が何とおっしゃいましょうとも、
今は人生の必然として受けとめていきましょう。
見限られてもけっこうです。
それも必然として認めましょう。
いつもの変わり者のたわごとと受け取っといて下さいませ。
またまたわけのわからぬことをと思われましょうが、
今はただ騰々と流れに任せていきたいと思っております。

(1)
最近気になる言葉があって、それがことあるごとにぼくの頭の中をよぎっていく。
どんな言葉なのかというと、「ゆっくり、ゆっくり」だ。
どういう意図があって、こういう言葉がよぎるのだろう?
焦っている自分を戒めているのだろうか。
そういえば、その言葉が頭の中をよぎる時は、決まって緊張感が漂っているような気がする。

しかし気になる。
ということで、今日それが何を意味しているのかを確かめる実験をやってみた。
「ゆっくり、ゆっくり」を行動に移してみたのだ。
つまり、すべてのことをゆっくりやってみたわけだ。
歩くのもゆっくり、動作もゆっくり、考え事もゆっくりである。
すると、面白い結果が出た。

歩いている時のことだが、ゆっくりを実践していると、不思議と信号などに引っかからないことがわかった。
信号にさしかかった時にタイミングよく青になって、待たなくてすんだり、信号のないところでも、道路を渡ろうとすると、車がまったく走ってなかったりした。
つまり、すべてが順調に流れたわけだ。

そういうふうにやっていくと、仮に信号で引っかかったとしても、「この流れに意図があるので引っかかったんだ」とか、「ちょっと焦っていたんだ」などと思って、そのことに腹を立てたり、落胆したりということがなくなるだろう。

運というのはタイミングだと聞くが、もしかしたら、この「ゆっくり、ゆっくり」の呼吸が、ぼくの幸運のタイミングなのかもしれない。
きっと神とか宇宙意識とかいうものが、それを教えてくれたのだろう。

(2)
昔、本で読んだのだが、ある武士が殿様から「霊験あらたかな金言を探してこい」と命じられ、諸国を巡る話があった。
長い時間をかけて探したあげくに、ようやくその金言を見つけた。
その金言とは「待ったり、待ったり」だった。

さて、その言葉を見つけ、久しぶりに我が家に戻った彼は、家の窓に不審な影を見た。
妻一人しかいないはずの家の中に、もうひとつの影があるのだ。
それはどう見ても男の影で、二人は仲むつまじく寄り添っているではないか。

カッと来た武士は、刀を抜いて家の中に飛び込もうとした。
その時だった。
彼は例の金言を思い出したのだ。
「待ったり、待ったり」
さっそく、それを実践してみることにした。

ひと呼吸置き、心を落ち着けてから家の中に入ってみると、そこにいたのは妻の父親だった。
自分が長いこと家を空けて帰ってこないので、心配して様子を見に来ていたらしい。
「待ったり、待ったり」のおかげで、大事に至らずにすんだというわけだ。

野に出ては君と二人で
いつまでも歌っていよう
古い草が足にからんでも
いつまでも夢はかけまわる

大声を張り上げて
いつまでも歌っていよう
力が尽きてしまっても
まだまだ口を動かして

夜になっても朝が来ても
いつまでも歌っていよう
心が張り裂けてしまっても
時がもし終わりを告げても

野に出ては君と二人で
いつまでも歌っていよう
まわりめく風の中で
いつまでも歌っていよう

冷たい風が吹いている
服の隙間を刺してくる
ついさっきまで君の温もりを
感じていたぼくに、風は
ひとりぼっちの道で

夢ばかり追いすぎた
ぼくに君は飽きたのかい
もう少しぼくを信じて欲しかった
いつまでもぼくを支えて欲しかった、君に
叫んでみても届かない

狂ったように風は
大声上げて吹きまくる
こんなに君のいたことが
ぼくにとって大きなものだったなんて
寂しい雨が降っている

愛を知った男は
じっと涙を堪えて
女の幸せを望むように
見え透いた笑顔で身を引く
ぼくには、そんなことできやしない

 ぼくは悲しいから涙見せる
 本当に辛いから泣いてやる
 雨よ、すべてを流しておくれ


冷たい風が吹いている

ぼくは人との出会いというものがあまり好きではない。
会えば別れが辛いから…、というわけではない。
直感的に「こいつは合う」と思える人は問題ないのだが、もともとが人見知りなほうなので「どうもこの人は苦手だな」と思う人に出会ってしまうと、とたんに構えてしまうのだ。
構えるというのは、心がこわばっている証拠で、そういう心の状態をぼくは好まないわけだ。

構えもその時その場で終わればいいのだが、ずっと引きずるのだ。
仮にその人との付き合いが長く続いた場合、何かの折に構えが出てしまう。
それゆえに人からの評価が、その人その人で違うわけだ。
「しんたは底抜けに明るい」と思っている人は、ぼくが出会いの時に「こいつは合う」と思った人で、逆に「しんたはちょっと暗いから」という評価を下す人は、実はぼくが出会いの時から構えている人なのである。

そういう人見知りな性格のくせに、なぜか人と接する販売業を選んでいる。
ま、仕事は別というふうに割り切っていたわけだが、それでも苦手なお客さんというのはいた。
そういう人を相手にする時は、自分をさらけ出すのをやめて、「はいはい、おっしゃる通りです」と流れに任せていた。
だから、そういう人に接する時は、「何が何でも売ってやる」という気持ちは抱かなかった。
流れに任せていたので、買わなければ買わないでいいという気持ちだったのだ。

ところが、不思議なもので、そういう気持ちを抱いて接していると、なぜか売れるのだ。
それも高いものが。
お客さんはなぜか満足しているようで、その後もちょくちょく声がかかったものだ。
しかし、ぼくの心の片隅にある苦手意識がなくなったわけではなく、相変わらず「はいはい、おっしゃる通りです」で接していたのだった。

こういう出会いの時の直感を後生大事に持つ性格は、直感を重視するさそり座の人が普通に持つものなのだろうか。
今度、同じさそり座のオナカ君に聞いてみることにしよう。

つぶさに君の笑顔を浮かべても
涙の灰は過ぎて行く風でしょう?
でね、ぼくは日めくりをめくったんだ。
最初は一枚一枚が楽しかったけれど
だんだん、あきてしまってね。
それで君との時間があいてしまったんだ。
そうだね、
こんなことを電話で言ってもしょうがないけど
市ヶ谷から麹町に向かって行くんだ。
ずっと行くと左手にテレビ局があって
まだまだ先に行くと 
 …ぼくは行ったことないけど
退屈なんだよ、実際
やってることがいつも中途半端で
そのことについては何も後悔の念がなくて
いつもこれではいけないと思いながらも
また今日やってしまったよ。
寂しかったんだね、やっぱり
そんなこんなで半年やってきたけど
もう、帰ろうかな…

ああ、夢から醒めた後に
大きな愛がぼくを蔽い
輝きに満ちた一日を
ぼくは迎える

大きな恐れは昨日終わり
小さな戸惑いは打ち消されていく
ぼくの中の小さな闘いに
いつも愛は勝利を告げる

 ああ、心の中の人よ
 いつもぼくはあなたと過ごす
 遠い昔に
 描いたように

今日一日が愛で始まり
今日一日が愛で終わる
ぼくは心の中であなたと出逢い
そしてその時からあなたと過ごす

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