吹く風ねっと

一生は未来の記憶を散りばめた一本の道。人生は未来の記憶をひろいながら歩く旅。

2005年11月

一昨日の夜中のことだった。
日記が書き終わり居間に行ってみると、聞き飽きた歌が流れてきた。
「おまえ、またこれ見よるんか?」
「会社の人にDVD借りてきたんよ」
「去年、完全版も見たし、もういいやろうが」
「それが、何回見ても飽きんのよね」
「おれは、このドラマを見ているおまえのアホ面を見飽きたわい」
「そんなん言わんでいいやん」
「もういい、ごゆっくり見て下さい。私ゃもう寝ますんで」

聞き飽きた歌とは『マイメモリー』で、このドラマとは『冬のソナタ』である。
嫁ブーは、まだ韓流にはまっているのだ。
家には、『美しき日々』のDVDがあるし、ぼくがタイトルを知らないドラマのやつもある。
それに加えて、今回の『冬のソナタ』である。
そこにぼくのライブラリーなんて一つもない。
つまり、うちのテレビの周りには韓流が充満しているのだ。

嫁ブーはいつも何かにはまっている。
以前はSMAPものだった。
彼らの出ているドラマはすべて見ていた。
その後が、韓流。
一昨日のことがあって、「嫁ブーは、今年も韓流で終わりそう」と思っていたのだが、何とそれだけではなかった。
また新たなものにはまってしまっているのだ。

昨日、床屋から帰った後に街に出た。
給料後の恒例になっている銀行周りに行ったのだ。
その帰り、本屋に立ち寄った。
『20世紀少年』の新刊が出ていたので、それをレジに持って行くと、横で嫁ブーが何か買っている。
何を買っているのだろうと見てみると、コミックが何十冊もあるのだ。
「おまえ、何買いよるんか?」
「花より男子」
「何冊あるんか?」
「全部で39冊」
「えーっ、全巻か?」
「うん」
「ドラマで充分やろうが」
「ドラマは、ダイジェストに過ぎんもん。だいたい10回やそこらで、38巻分の内容を全部出来るわけないやん」
「そうか」
「買ったらいけんと?」
「いや、おまえのお金やけ、別に何に遣おうとかまわんけど。ただ条件がある」
「えっ、条件?」
「おう」
「何ね?」
「おまえが読んだら、次はおれが読むけ、絶対に人に貸したらいけんぞ」
「そんなことね。いいよ」
ということで、ぼくは39冊買うことを承認した。

しかしたまげた女である。
ぼくもコミックのまとめ買いをよくやるのだが、10冊が限度だ。
一度に39冊も買ったことなんかない。
第一、書棚はぼくの本でいっぱいなのに、いったいどこに置くつもりなのだろうか。
そこでぼくは、「おまえ、それどこに置くんか?」と聞いてみた。
「テレビのところ」
「あそこ、おまえのDVDでいっぱいやないか」
「ああ、あれね。あれはもう見たけ、クローゼットの中にでも入れておく」
「命よりも大切な韓流やないか」
「大切やないよ。こっちのほうが大切やもん」
そう言って、嫁ブーは嬉しそうな顔をして、39冊のコミックを抱えて帰ったのだった。

11月29日休み。
今日は午前中に床屋に行った。
前に行ったのは、確か2ヶ月ほど前だったと思う。
3週間ほど前から前髪が垂れてきて、鬱陶しかった。
その頃に行こうと思っていたのだが、仕事が入ったために行けなかった。
その後はご存知の通り、風邪である。
ということで、今日まで延び延びになっていたのだ。

まだ風邪の方は治ってないのだが、いちおう残っている症状は咳だけで、それを除けば健康体とほとんど変わらないところまで回復している。
朝起きて、いちおう体をチェック下のだが、特に悪いところはないようなので、床屋行きを決行することにした。
ただ、いったん咳き込み出すとひどいので、念のために咳止め薬を飲んでいった。
顔を剃っている時に咳き込みでもしたら大変だからだ。

行ったのは朝9時だった。
一番乗りだった。
ところが、床屋には誰もいなかった。
いつも店番をしている犬さえもいない。
ま、いつものことなので気にせずにそこにあった少年マガジンを読んでいた。

近くにいくつも床屋があるのに、なぜこういう待たされる床屋に固持するのかというと、それは『魁!!クロマティ高校』を読めるからである。
これがあるから、なかなか床屋をかえられないのだ。
もしかしたら、他の床屋にも少年マガジンは置いてあるかもしれない。
だが、それを調べるために、冷やかしに行ったりとか、電話で聞いたりとかいう面倒なことをぼくはしない。
そこにあるから、それで充分なのである。
姉さんが出てきたのは20分後だったから、その間充分に『魁!!クロマティ高校』を読むことが出来たのだった。

髪を切っている途中にも、電話が入ったり、集金人が来たりして、なかなか終わらなかった。
それもいつものことなので、ぼくは気にせずに眠っていた。
そういえば、眠っている時に「しんた」という声が聞こえた。
ぼくが声のほうを振り向くと、姉さんが「あっ」と言った。
ぼくが目を開けると姉さんは、「どうしたと? 痛かったと?」言った。
「えっ…。いや…」
そう言いながら、ぼくはあたりを見回した。
だが、その声の持ち主らしき人は見あたらなかった。
おそらく夢だったのだろう。
それか、目に見えない何者かがそういう声を聞かせて、事故を未然に防いでくれたのかもしれない。

ようやく終わったのは、11時前だった。
心配された咳き込みもなく、無事に散髪は終了した。
頭がスースーして寒かったが、長い時間鬱陶しかった前髪も垂れず、実に爽快な気分で家に戻ったのだった。

ぼくの店の熱帯魚コーナーに、『小太郎』という名の高校生のアルバイトがいる。
本名ではないが、見た感じ『小太郎』という名前がしっくりくるのだ。
ぼくがいつも「小太郎」と呼んでいるので、いつしかみんな「小太郎」と呼ぶようになった。
イトキョンにいたっては「小太郎ちゃん」と、「ちゃん」まで付けて呼んでいる。

最初の頃、彼は「小太郎」と呼ばれるのを嫌っていた。
「何でぼくが小太郎なんですか?」
「あんたが『小太郎』やけよ」
「本名違いますよ」
「そんなことはどうでもいいんよ。小太郎やけ小太郎と呼ぶんよ」
そう言って、ぼくは小太郎を押し切った。
そのうち、渋々彼は「小太郎」を受け入れるようになった。

しかし、やはり人前で「小太郎」と呼ばれるのは嫌だったようで、ぼくが散々人前で「小太郎」と連発して呼んだ後には、必ず近くにいる人に「ぼく、本当は小太郎じゃないんですよ」と自分でフォローしていた。
それでも気にせずに、ぼくは「小太郎」を連発した。
そのうち、小太郎は諦め、小太郎に抵抗しなくなった。
そう、晴れて小太郎になったのだ。

小太郎は大人しい子で、普段はあまり目立たない。
しかし、閉店近くになると、俄然張り切り出して、ぼくにいろいろ話しかけてくる。
話の内容は、お笑い関係のことが多い。
何でも、小太郎は中学生の頃まで、家族やクラスの人たちの笑いを取ることが得意だったらしく、今でも密かにお笑いの才能があると思っているようだ。

ぼくが「何かネタやってみ」と言うと、小太郎は「いや、ここではやれません」と言う。
「何で?」
「いろいろ準備がいるんですよ」
「小太郎は準備せな、笑いをとれんと?」
「いや、そうじゃないですけど、ぼくのネタはここじゃ受けないんですよ」
「じゃあ、どこやったらいいと?」
「うーん、教室とかがいいですね」
お笑いの才能があるなら、別に教室でなくてもいいはずである。
小太郎は、いったいどんなネタをやるつもりなんだろうか。
それはなかなか教えてくれない。

さて、今日のことだった。
いつものように閉店前に張り切りだした小太郎は、「しんたさん」とぼくを呼んだ。
「何だね、小太郎君」
「ちょっとぼくのお尻見て下さい」
「あ? おれ、そんな趣味ないよ」
「いや、お尻のところが破れてるんでしょ」
見てみると、なるほどお尻に穴が開いている。
「破れたんね?」
「いえ、最初から破れてるんです」
「不良品?」
「いや、わざと破ってあるんですよ」
「えっ、今は、尻の破れたズボンとかが流行っとるんね?」
「はい」

しかし小太郎は、その破れ具合が気に入らないようで、しきりにその破れを隠そうとしていた。
ぼくが「気になるなら、縫ったらいいやん」と言うと、小太郎は「そう思ってるんですけど、普通に縫ったらおかしくなりますからね」と言う。
「じゃあ、慣れた人に縫ってもらおう。ちょうどいい人がおる。ちょっと待って」
そう言ってぼくは、イトキョンのところに行った。

「イトキョン、小太郎がね…」
「小太郎ちゃんがどうしたと?」
「さっき水槽を掃除していたら、ピラニアにお尻を噛みつかれたらしいんよ」
「えっ、ピラニアに? それでケガはなかったと?」
「うん、ケガはなかったんやけど、ズボンのお尻が破れてしまってね。あんた縫ってやって」
「え、わたしが縫うと?」
「うん。あんたしかおらんやん」
「わたし縫いきらんよう」

そんなやりとりをしているところに、小太郎が「しんたさん、いいですよ。自分で縫いますから」と言ってきた。
「お、ちょうどいいところにきた。小太郎、お姉さんにお尻を見せてあげなさい」
「えーっ」
「何を恥ずかしがっとるんね」
「嫌ですよう」
そう言って、小太郎は元いた場所に走って戻っていった。
ぼくは「逃げるな、この根性なしが!」と言いながら、小太郎を追いかけていった。

イトキョンは、薄笑いを浮かべて、しばらくこちらを見ていた。
だが、夕飯のことで頭がいっぱいだったのだろう。
シャッターが閉まると、さっさと帰っていった。

昨日のことと関連した話である。
書類を書き上げたあと、警察官が「コピーを取りたい」と言ったので、ぼくは「コピー機は店内ですよ」と言って、案内した。
警察官にコピーを取っている間、暇になったぼくは、「何か面白いことはないかなあ?」と周りを見渡した。
するとそこに、格好の暇つぶしがいた。
イトキョンである。

『これはチャンスだ!』と思ったぼくは、血相を変えた顔を作ってイトキョンのもとへ走って行った。
「イトキョン、イトキョン」
「あ、しんちゃん、血相変えてどうしたんね?」
ぼくはコピー機の方を指さして言った。
「ほら、あそこに警察がおるやろ」
「あ、ホント。何かあったと?」
「事件、事件」
「何、何?」
「さっきカードを使った詐欺事件があったんよね」
「えっ、どこであったと?」
「ここに決まっとるやろ」
「えー、全然知らんかった」
「そうやろうね。あんたが来る前のことやけ」
「そう」
「今、あの警察官ね、指紋を採りよるんよ」
「へえ、犯人はコピー機を使ったと?」
「うん」
「でね、さっきおれも指紋採られたっちゃ」
「ほんと!?」
「うん。サービスカウンターのTさんも、あとKさんも採られたみたいよ」
「でも、しんちゃんの指、汚れてないやん」
「今はね、汚れが付かんインクを使うんよ」
「へえ、進歩したんやね」

イトキョンは興味を持ったのか、警察官をずっと見ていた。
「ねえ、しんちゃん。何であの警察官一人しかおらんと?」
「鑑識の人やけよ」
「ああ、そうか。で、犯人はどうなったと?」
「逃げた」
「ふーん。そういえば、さっきカード詐欺って言ってたけど、そのカードはどうなったんね?」
「ああ、カードは犯人が逃げる時に落として行ったんよ。今そのカードはあの警察官が持っとるよ」

警察官が帰ったあとも、イトキョンはそのことが気になっていたようだ。
そんな時に「しんたさん、外線です」という連絡が入った。
ぼくはイトキョンに、「犯人が捕まったのかもしれん」と言って、受話器をとった。
さっきの警察官からだった。
持って帰ったはずのカードがない、という電話だった。

電話を切ると、ぼくはイトキョンの方を向いて、「大変なことになった」と言い、さきほどの書類を書いた部屋に走って行った。
カードは無事に見つかり、その警察官に「ありましたよ」と連絡した。
再びやってきた警察官にカードを渡し、一件落着したあと、ぼくはイトキョンのところに戻っていった。

ぼくの『大変なことになった』という言葉を気にしていたイトキョンは、ぼくが戻ってくると、目を輝かせて「何かあったんね?」と言った。
「いや、また新たな犯行があってね」
「えーっ」
「またカードが落ちてたらしいんよ」
「うわー、何かミステリー事件みたいやね」
というところで、閉店になった。

帰りしなに、ぼくはイトキョンに「もしかしたら、明日の新聞に載るかもしれんよ」と言った。
ところがイトキョンは、先ほどとは違うモードに入っていた。
ぼくの言うことが聞こえたのか聞こえなかったのか知らないが、無視してそそくさと帰っていったのだ。
きっとイトキョンの頭の中には、事件のことなんか入ってなかったに違いない。
夕飯のことで、頭の中はいっぱいなのだから。

夕方のことだった。
サービスカウンターのパートさんがぼくを呼んだ。
「どうしたと?」
「キャッシュカードを拾ったんだけど…」
「ふーん、じゃあ銀行に連絡したらいいやん」
「しんちゃんがして下さい」
「何でおれがせないけんとね。そのくらい自分でやって下さい。子供じゃあるまいし」
「でも、わたし慣れてないけ」
「慣れとかの問題やないやろ。ちゃんと拾った人が連絡せな」
「わたしが拾ったんじゃないもん。お客さんやもん」
という押し問答の末、結局ぼくが電話することになった。

落とし物はケースに入っており、その中にはキャッシュカードが2枚入っていた。
1枚は信用金庫のカードで、もう1枚は郵便局のカードだった。
ここでぼくは、どちらに電話しようかと悩んだ。
そこでパートさんに、「どちらに電話しようか?」と聞いた。
するとパートさんは、「郵便局はやめた方がいいよ」と言った。
「何で?」
「郵便局は忙しいけ、来てくれんっちゃ」
「でも、前は来てくれたよ」
「前はどうか知らんけど、今は来てくれんよ。人が足りんのやけ」
そういえば、そのパートさんのご主人は郵便局に勤めているので、郵便局の内情をよく知っている。
それならということで、信用金庫の方に電話することにした。

「北九州の○店です。実はおたくのキャッシュカードを拾ったんですが…」
「ああ、そうですか。お宅様には、うちのキャッシュサービスがあるんですかねえ?」
「ああ、拾得物入れでしょ。あいにくこちらには、F銀のしかないんですよ」
「そうですか。それでは、こちらからお客様に連絡して、そちらに取りに行ってもらいます」
「お願いします」

それから30分ほど経って、先ほどの信金の人から電話が入った。
「お客様、いないんですよねえ」
「そうですか」
「それでですねえ、お手数ですが、そちらから交番に持って行ってもらえませんか?」
「えっ、交番にですか?」
「はい」
「‥‥」

交番に行け、これまた面倒臭い申し出である。
交番に行くと手続きに時間がかかるから嫌なのだ。
そういうことなら、郵便局の方に電話すればよかった。
忙しくても、カードを引き取りには来てくれるだろう。

そこで、そのことを信金の人に言おうとした時だった。
先方が、「そこから一番近い交番はどこですか?」と聞いてきた。
「××交番ですけど」
「××交番ですね。わかりました。お客さんと連絡が取れたら、その交番に行ってもらうようにしますから」
「‥‥。そうですか。はい、わかりました」
ぼくは渋々受話器を置いた。
これで、郵便局に電話できなくなった。

ぼくはサービスカウンターに行き、カードを拾ったパートさんに、「交番に届けることになった」と言った。
「そう、やっぱりね」
「あんたが行ってきてね」
「えっ?」
「おれはちゃんと銀行に連絡したんやけ、今度はあんたの番やろ」
「何で私が行かないけんと?」
「あんたが拾ったんやろ?」
「私じゃないよう。お客さんが拾ったんよ」
「同じことやん。ちゃんと行ってきてよ」
「えー、行ってくれんと?」
「おれが行くとしたら、確実に9時近くになる。もしその間に落とし主が交番に行ったらどうするんね?」
「ああ、そうか」
「ちゃんと行ってきてよ」
「でも…」
「それが嫌なら、警察に電話して取りに来てもらい」
「あ、その手があったねえ」
「自分でかけてね」
「わかった…」
ということで、パートさんは警察に電話をかけた。

それから30分ほどして警察官がやってきた。
書類に必要事項を書き込んで、警察官は帰っていった。
『時間食ったけど、これでようやく一件落着した』
と思っていた時だった。
店内放送で「しんたさん、外線が入ってます」という連絡が入った。
出てみると、先ほどの警察官からだった。
「あのー」
「どうしたんですか?」
「先ほどのカードですけど…」
「あ、落とし主が現れたんですか?」
「いや、そういうことじゃなくて…」
「どういうことですか?」
「交番に帰ってからカードを挟んでおいたノートを開いてみると、カードが入ってないんですよ」
「えっ? 落としたんですか」
「いや、落としたんじゃなくて…。忘れたんじゃないかと思いまして」
「ちょっと待ってください」

そう言って、ぼくは先ほど書類を書いたところに行ってみた。
しかし、カードはそこになかった。
『もしかして下に落ちてないか』と思い、その辺を探してみた。
すると出入口のドアのところに先ほどのカードの入ったケースが落ちているではないか。

「ああ、ありましたよ」
「やっぱり忘れてましたか?」
「いや」
「えっ?」
「落ちてました」
「どこにですか?」
「入口のところです」
「…そうですか。すぐに取りに行きます」

5分もかからないうちに警察官はやってきた。
これで、ようやく一件落着となった。
それにしても、持ち主に落とされ、警察官に落とされ、本当にかわいそうなカードである。

メインにしているブログでの登録記事数は、昨日までで1955件である。
これを全部読むとなると、かなりの時間と労力がかかる。
もしぼくが、今日このブログを知り、興味を持ったとしても、全部読むことはまずしないだろう。

そういったことから、なるべく読みやすいようにカテゴリ別のブログを起ち上げていっているが、今日このブログのメインテーマの一つである『健康一番』のブログを、『健康ブギ!』とタイトルして起ち上げた。
これは前にlivedoorでやっていたのだが、操作性が今ひとつだった。
そのため、他のサーバーを探し出し、そこに一つ一つの記事を移していたのだ。
何でそんな地道な作業をしていたのかというと、そのサーバーにインポート機能がなかったためである。
どこのサーバーも一長一短あるようで、なかなかパーフェクトなサーバーには行き当たらない。
ということで、今日、その作業がようやく終わったわけである。

これで、完成したカテゴリ別のブログは、先月起ち上げた『筋向かいの人たち』と併せて二つになった。
どちらのブログの記事数も数百件程度だから、すべて読んでもそれほど時間もかからないだろうと思う。
ま、その二つのブログと、『皆岡ノオト』を読めば、ぼくがどういう人間だかだいたいわかることだろう。
それからメインのブログに挑戦するもよし、それで終りにするもよしである。

ああ、そういえば、昨日、ヤマハプレイヤーズ王国がリニューアルオープンした。
それに伴って、ぼくのページのアドレスも変わったのだった。
新しいアドレスは、ここ(http://players.music-eclub.com/?action=user_detail&user_id=72100)である。
トップのディスプレイがブログ的になった程度で、内容にほとんど変わりはないのだが、一つだけ新たに加わった機能がある。
それは日記である。
すでにやっていることなので、わざわざそれを利用する必要もないのだが、あれば使いたくなるのが人情。
いくつかの記事を書いてみた。
ブログのようにトラックバックや記事検索といった機能はないのだが、メモ書き程度なら充分活用できる。(と言いながらも、歌で呼べない分、日記で呼ぼうという姑息なことを考えているのではあるが)

ということで、より充実した「しろげサイト」をこれからもよろしくお願いします。

11月に入ってから、胃が痛かったり、背中が痛かったり、便通が悪かったりと、あまり体調が優れなかった。
ところが、先週の土曜日に、そういったことがぱったりと止んで、実に爽快な気分になった。
翌日曜日も朝から調子がよかった。
「ようやく治った。体調の悪さは、きっと季節の変わり目だったからだろう」と思っていた。

昼頃だっただろうか。
タバコを吸いに外に出たときだった。
突然、のどにピリッという痛みを覚えた。
それと同時に咳が出た。
最初はタバコのせいかと思った。
だが、どうもそうではないようだ。
のどにピリッとくる痛さは、ぼくの場合、風邪を引いたときの痛さなのである。

しかし、何で前触れもなく突然に風邪を引いたのだろう。
だいたい、ぼく風邪の進行は順序が決まっている。
まずのどが痛くなり、次に鼻がつまる。
それから熱が出て、最後に咳が出る。
ところが、今回はのどの痛みと咳込みが同時にきたのだ。
途中の鼻づまりや発熱はまったくなかった。
つまり、最初と最後の症状が一度にきたわけである。

まあ、そういうこともあって、最初は一時的なものだろうと思い、あまり気にはしてなかった。
ところが、日を追って、のどの荒れは酷くなり、咳き込みは激しくなるばかりである。
この間の火曜日は、当初床屋と銀行に行く予定にしていたのだが、それらをすべてキャンセルした。
ウソウソと外を出歩いたりすると、風邪が酷くなると思ったからである。
そういうことを、すべて次の休み、つまり明日金曜日に延期し、その日は、家で養生することにした。
しかし、風邪は相変わらず酷くなるばかりである。
この調子だと、おそらく明日も外には出られないだろう。

しかし、突然引いたと思われるこの風邪も、よくよく考えてみたら、思い当たる節がないでもない。
冒頭に書いた、今月に入ってからの体調の悪さである。
案外その体調の悪さが、実は風邪の初期症状だったのかもしれないのだ。
ということは、けっこう長い期間、風邪を引いていることになる。
実に3週間以上だ。
これまで生きてきて、こんなに長く風邪を引いたことはない。
地道な生活改善のおかげで、せっかく寝不足が解消されつつあるというのに、このまま風邪が長引くとなると、咳き込みなどで再び寝不足になってしまう恐れがある。
早いうちにこの風邪を何とかしないと、健康診断の再検査で、またしてもD判定を受けてしまう。

先日の日記に『オナカ君とヒロミちゃん』を書いたが、それを受けてか、ヒロミから「この間よりもいい写真を送る」と言ってきた。
それをオナカ君に見せて、反応を教えてくれと言うのだ。

ぼくはさっそくオナカ君に電話をかけた。
「おい、メールでヒロミの写真いるか?」
「ああ、欲しいのう」
「じゃあ、あとでメールで送る」
「おう」
「で、それを見た感想をメールしてくれ」
「えっ、感想? どんな感想を書けばいいんか?」
「写真見て、感じたとおり書けばいいんよ。きれいと思ったら、『きれいですね』と書くとか」
「そんなのでいいんか?」
「おう。きっとヒロミは喜ぶぞ」
「そうか」

電話を切ってから数分たって、ヒロミからメールが届いた。
一番お気に入りの写真だそうで、なるほどきれいに写っている。
さっそくぼくはオナカ君に転送しようとした。
ところがこの写真、なぜかガードがかかっていて転送できないのだ。
そこでヒロミに、パソコンのほうに送ってくれと頼んだ。
それが手間取ってしまい、オナカ君への転送は翌日になってしまった。
ぼくは『遅くなりました』というタイトルを付けて、オナカ君に送った。

しばらくして、オナカ君から返事が来た。
さっそくそれをヒロミに送った。
ヒロミからすぐに返事が来る。
それをまたオナカ君に送る。
その日の夜、ぼくはずっとヒロミとオナカ君のメールの橋渡しをしていたのだった。

>(オナカ)
待ってました。
思っていた以上に美人ですね。
宴会が非常に楽しみです。

>(ヒロミ)
オナカさん初めまして(^^)v
お会いできる日を楽しみにしてます(*^_^*)

>(オナカ)
いつもしんたの日記で、ヒロミさんの活躍を読ませてもらってます。
ヒロミさんは、美しくて面白い人なんですね。
会える日が楽しみです。

>(ヒロミ)
オナカさん お返事ありがとう(^^)
あの日記は70%だけが本当です(゜-^)ъ
しんたさんの話では オナカさんは素敵な方と伺ってます☆
早くお会いしたいですね。
お会いした日は 絶対に日記に書かれますよ(^^ゞ

>(オナカ)
美人は謙虚が一番大事!
ヒロミさんの返事を読むと謙虚さがにじみ出ていますね。

二人のやりとりは以上である。
その後、ヒロミからぼく宛にメールが届いた。

>(ヒロミ)
オナカさんは真面目な人なん?

>(しんた)
オナカ君は高校の時、級長やったけのう。
野球部やったし、律義なんやろうの。

>(ヒロミ)
オナカさんは独身なん?

>(しんた)
オナカ君は結婚しとるけど、かわいそうな人なんよ。

>(ヒロミ)
そうなん。何がかわいそうなん?

オナカ君、ヒロミが『何がかわいそうなん?』だとよ。
どう答えようか?

Hさんが休んでいたということで、イトキョンはそれとなく信じたようだった。
ぼくはイトキョンをかつぐことが出来たので満足していた。
ところが、それだけでは満足できない人がいた。
Kさんである。
ぼくが考えた入院話に、3千円徴収を乗せたのもKさんだった。
話はそれだけでとどまらなかった。

昼過ぎ、その日早番のイトキョンと交代で、中番のMさんが出社してきた。
Mさんはぼくの売場に来ることは、滅多にない。
ところがその日は違った。
血相を変えてぼくのところにきたのだ。
「どうしたんですか?」
「昨日は大変やったらしいね」
「ええ」
「でも、急なことやったねえ」
「そうですねえ」
「Hさんは、子供さんおったんかねえ?」
「いますよ」
「若いんかねえ?」
「いや、もう社会人ですよ」
「ああ、それならよかったねえ」
「?」
「で、今日は何時から?」
「えっ、何がですか?」
「お通夜よ」
「えーっ!?」
「さっきKさんが言ってたよ。今日Hさんのお通夜だって」

ぼくはそれを聞いて、思わず吹き出してしまった。
「えっ、何がおかしいと?」
「いや、Kさんがそう言ったんですか。ハハハ…」
「違うと? …あっ、もしかして騙したんやね」
そう言うとMさんは怒って売場に帰っていった。

しばらくして、薬局に行ってみると、Mさんと話していたイトキョンがぼくを見つけて言った。
「もう、しんちゃん嘘つきなんやけ」
「何が嘘つきなんね」
「Hさん、死んでないやん」
「あ? それ言うたのKさんやないね」
「でも、しんちゃんも入院したと言ったやないね」
「言うたよ。でも、おれは人を殺したりはせん」
「どうせ、入院も嘘なんやろ?」
「嘘やないよ」
「もう、信じんけね」
「普通、救急車で運ばれたりしたら、何でもないでも、一応検査入院するやろ」
「うん、するよ。…あ、そうか」
「ほら、嘘やないやろ」
「うん」

イトキョンが帰ったあと、ぼくはMさんに本当のことを話した。
「そうやろ。わたし昨日遅番やったけ、ちゃんとHさん見たもんね。Kさんから話聞いたときも、おかしいと思いよったんよ」
「もし死んどったら、店の中の空気が、それとなく違ってくるじゃないですか」
「そうよね。いつもと変わらんかったもんねえ。それで、イトキョンはまだ信じとると?」
「さすがに死んだというのは嘘とわかったみたいやけど、入院は信じとるみたいですよ」
「イトキョンらしいね」
「いつまで信じとるか楽しみですね」
「いや、きっともう忘れとるよ」
「えっ、そうなんですか?」
「うん。あの人、いつも、その日の夕飯のことしか頭にないもんね」

昨日のこと。
Hさんは休んでいた。
Kさんがいたので、「Hさんは休んだんですか?」と聞いてみると、「うん、大事を取って休むらしい。朝電話があったよ」と言う。
「やっぱり昨日の今日ですからね」
「あの人、明日も休みやけ、連休やね」
「ああ、そうですね」

と、その時だった。
そういうことがあったと言うことを、まったく知らない人間が通りかかった。
薬局のイトキョンである。
ぼくはイトキョンを見て、瞬時に「これは遊べる」と思った。

ぼくはさっそくイトキョンを呼び止め、真剣な顔をして「昨日は大変やったよ」と言った。
イトキョンは目を丸くして、「何かあったと?」と聞いてきた。
『しめしめ』と思ったぼくは、「実はねえ…」と昨日あったことを話した。
しかし、元気に帰ってきたとは言わずに、「結局入院したんよね」と言ったのだった。
「えっ、入院したと?」
「うん。1ヶ月以上かかるかもしれんのよ」
「うそー、困ったねえ」
「そうやねえ。ただでさえ、ここは人が少ないけね」
「年末で忙しくなるしね」

話が終わり売場に戻ると、そこにKさんがいた。
さっそくぼくはKさんにそのことを言った。
「Kさん、今、イトキョンにHさんが入院したと言っときましたから、口裏合わせとってください」
「わかった。入院やね」
そう言って、Kさんはイトキョンのところに行った。
Kさんは、真剣な顔をして、イトキョンとしばらく話していた。

話が終わったようなので、何気ない顔をしてイトキョンのところに行くと、イトキョンは暗い顔をして立っていた。
「どうしたと?」
「Hさん、相当悪いんやね。Kさんが入院が長引くけ、見舞金を一人3千円集めると言ってたよ」
『えっ?』、話が膨らんでいる。
しかし、否定すると嘘だとバレるので、「そう、さっきKさんから聞いた」と言っておいた。

それから1時間ほどして、イトキョンがぼくのところにやってきた。
「しんちゃん、また騙したやろ」
「えっ、何のこと?」
「Hさんが入院したなんて嘘やないね」
「入院したよ」
「でも、みんなが『Hさんは、昨日すぐに戻ってきたよ』と言ってたよ」
「そうよ。昨日は戻ってきたよ」
「ほら、やっぱり嘘やん」
「嘘やないよ。誰も昨日入院したとか言うてないやろ」
「えっ?」
「会社に自分の車を置きっぱなしにするわけいかんし、入院するためには準備がいるやん。だから一度戻ってきたんよ」
「あっ、そうか」
「今日入院したんよ。Hさん、今日休んどるやろ」
「そういえば見らんねえ」
「人の話をちゃんと聞かな」
「すいません」

「あ、そうそう。イトキョン、頼みがあるんやけど…」
「何でしょ?」
「あんた、Hさんの机の上に花を置いといてやって」
「花を?」
「うん。学校でよくやったやん」
「えっ、それは死んだ人にするんやったやん」
「そんなことはない。入院した時にするんよ」
「そうやったかねえ」
「そう。従業員を代表して、ちゃんと花を供えときよ」
「私が!?」
「そう、年長の仕事やないね」
「私、年長じゃないよう」
「そんな細かいことは言わんでいいけ、ちゃんとやっとってね。年長さん」
「‥‥」

昨日の夕方のことだった。
ぼくが昼食から戻ってくると、パートさんが、
「さっき大変だったんですよ」と言った。
「何かあったと?」
「Hさんが救急車で運ばれたんですよ」
「えっ?」
「倒れたらしいんですよ」
「何で倒れたん?」
「詳しいことは知らないんですけど…。ああ、Kさんがそばにいたから、詳しいことはKさんに聞いたらわかると思いますよ」

そこでぼくは、さっそくKさんの所に行き、事情を聞いた。
「Hさん、倒れたらしいですね」
「うん」
「どうしたんですか?」
「いや、作業中に、急に腕に痛みが走ったらしいんよ。そのあと気分が悪くなって座り込んどったらしいんやけど、そのまま意識がなくなって倒れたらしい」
「意識がないままですか?」
「いや、ぼくが行った時には、ちゃんと意識は回復しとったよ」
「で、救急車で運んだんですか?」
「うん。本人は『大げさに救急車なんか呼ばんでくれ』と言いよったけどね」
「でも、『救急車なんか呼ばんでくれ』とか言う元気があるなら、大したことないでしょうね。点滴でも受けて帰ってくるんじゃないですか?」
「うん、すぐ『ただいまー』とか言うて帰ってくると思うよ」

それから2時間ほどたって、Hさんの奥さんから店長宛に電話が入った。
ぼくは悪い予感がした。
こういう事があったあとに、家族から電話が入る時は、あまりいい知らせではないことが多いからだ。
『もしかしたら、Hさん、どこか悪かったんかもしれんなあ』
ぼくは詳しいことを聞こうと、事務所に向かった。

ところが、事務所の前に来た時、聞き慣れた笑い声が事務所の中から聞こえてきた。
ドアを開けてみると、そこにはHさんがいるではないか。
「Hさん、大丈夫やったんですか?」
「ああ、大丈夫。ご迷惑おかけしました」
話によると、病院で検査を受けたが、何の異常も見受けられなかったらしい。
強いて上げれば、中性脂肪が少し高かったそうだ。

その後、Hさんは「病院はタバコが吸えんけのう」などと言いながらタバコを一服し、早帰りすることになった。
Hさんが帰る時、Kさんに「早よ帰れるからと言って、今日はパチンコせんで、まっすぐ家に帰らなね」と言われていた。
Hさんは大のパチンコ好きで、ほとんど毎日パチンコに行っていて、帰るのはいつも11時近くになるらしい。
「倒れたのは、パチンコのやり過ぎのせいよ」とKさんは言っていた。

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